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Interview

地質部主任 久谷航平

入社8年 / 秋田大学大学院 / 技術士補・地質調査技士・地すべり防止工事士

好きな地質の研究ができれば住む場所はどこでも。

子どもの頃は星空を見るのが好きでした。
大学からは逆に地面に興味が湧いて。

出身は栃木で、自然の中で子ども時代を過ごしました。中学、高校と夜の空を見るのが好きで、読書感想文で選ぶのも星の本。大学は天文学部を目指しましたが難しすぎて(笑)、地質学の方へ進みました。大学の工学資源学部地球資源学科で「岩石化学」を専攻。たとえば土砂は何万年、何百万年かけて石になる。石にその時間が保存されているから、何がどう堆積したか、変形や傾斜も見える。面白くて、もっと突っ込んだ研究をしようと大学院へ。この会社には、研究室の先生の紹介で入りました。地質関係の仕事ができれば場所にこだわりはなく、早く好きな研究をしたかったのですぐ面接させてもらいました。

入社してからずっと、地すべり防災と斜面防災を担当しています。たとえば道路脇の法面はどのくらいの角度でどんな押さえ方をすれば崩れないのか、橋を建てるときは地面が緩くないか、沈まないようどう杭を打つか、といったことを地質的に解釈する仕事です。その結果を元に設計していくので、ここがわからないと始まりません。誤った解釈で工事が進めば土砂崩れや土石流などの災害に繋がりますから、地質調査は工事の根幹であり、責任が重いんです。

大学での採集&研究の経験をベースに、
「経済」の視点を加えて調査。

今やっている作業は、工事予定の現場の土を筒状に抜いた「ボーリングコア」をサンプルとして、地層を推測するもの。道路、川、沢、崖などを歩いて確かめ、サンプルと照らし合わせて地質を推測します。見ていると興味が深まってきて「なんでこんな地層?」「これはなんだろう?」と、つい仕事に関係ないことも調べたくなるのをグッとガマンしています(笑)。

大学でやっていたのは「純粋地質」、今の仕事は「土木地質」なので見方が全然違うんですよね。土木は経済的なことが関わってくるので、もう少し勉強が必要だと思っています。たとえばひとつの現場では、土を削る「切り土」と反対に土を盛り上げる「盛り土」とをプラマイゼロに近付けることになっています。土が余れば運搬や廃棄のコストが余計にかかってしまいますから。こうしたバランスを取るにも、地質が関係してくるわけです。

経験を積むと、また別の難しさを感じるようになります。危険性を過大評価すれば工事費用が高くなりすぎるし、過小評価すると災害に発展する。問題が起きれば、原因が地質調査なのか設計なのか施工なのかも問われてきます。土の中は見えないので、正直やってみないとわからない。そこで、サンプルを元に担当者がそれぞれの経験や知識から意見を出し合い、それを十分聞いたうえで最終的には上司と相談しながら自分で評価を決めています。

相談しやすい上司や同僚。
でも馴れ合うことはありません。

秋田から引っ越して8年。ひとり暮らしなので、休日は家でゲームをしたり同僚と遊びに行ったり好きに過ごしています。旭川は車でどこへでも行けて住みやすいサイズのまちですね。以前バイクに乗っていていったんは手放したのですが、北海道にいるとまた乗りたくなってきました。

休みはちゃんと取れるし、仕事についての意見交換もできて会社の居心地はいいです。忙しいときは忙しいけどこれくらいは辛くありません。この仕事のやりがいですか?う~ん、なにしろ地質はスポットの当たらない仕事ですからね(笑)。設計や工事の人は建造物が出来上がるから成果が目に見えて、喜びがあるでしょうけど。でも僕は、ここまで興味を持てるものがあるだけで満足。仕事が面白いと感じられることが、僕の強みなのかも知れませんね。

取材日:2022年9月16日

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